いよいよ3月を迎えて、今年の冬の寒さも少しずつ和らいできましたね。しかし、数日前には、すさまじい寒の戻りで、日中も氷点下で強風吹きすさぶ日がありました。よりにも寄ってその日に、タヌキの交通事故現場付近で、ロードキル対策のための看板デザインについて、大勢の方と一緒に現地での確認実験を行いました。ああ、何であの日だけ、あんなに寒くて風が強かったんだろう…(涙)。
写真は、2月上旬に千ヶ滝を再訪した際の氷瀑の写真です。美しく、でも、寒そうな写真ですよね~。


もとい!! 2月中の看板デザイン検討の経緯をご説明しますね。
2月3日付のブログで、ロードキル対策看板のデザイン候補についてご紹介いたしました。その際、ヨコ22センチ×タテ90センチの看板にして、そこに目立つ要素と景観との調和の二律背反の要素を入れ込まねばならない課題が生まれたとご説明し、最初の原案の看板デザインを約30種類ほど紹介させていただきました(詳細はこちら)。
その際、読者の方の中から、菱形で黄色いシカやサルの絵が描かれた看板の方が良いのではないかというご意見をいただきました。確かに、そうした看板を設置できればベストなのですが、現時点では設置できない事情があるのです。菱形の黄色い看板というのは、こういうタイプのものだと思います(ちなみに、この写真はツシマヤマネコの保護のために対馬におかれている特別なデザインですが…)。

実は、この手の黄色の菱形の看板の設置には、予算的にも時間的にも相当のコストがかかります。さほど大きく見えないあの看板、実は、横幅60センチもあるのをご存じでしょうか。遠くから見えるように、大きな看板を高い位置に置いているのですが、そのため私たちの背の高さから見ると、さほど大きく見えないんですね。しかし、実際には金属製の大きなパネルです。だからこそ、道路の先の見通しを害さないように、高さ2メートル以上のところに設置されているのが通常なのです。となると転倒防止のために、道路にしっかり穴を掘って鋼鉄製のポールをコンクリートで固定化する必要が出てきます。工事には20万円近くかかるそうで、しかも、一度設置したら動かせません。どこに設置するのか、まだ実験段階の現在においては、「やり直しのできない」看板を設置するのもリスクが伴います。
そこで、さほど大きくないものを、町が設置した設備(カーブミラーや町が設置してる各種の標識)の鋼鉄製の支柱あるいは、協力して下さるご家庭の道路沿いの土地に杭を打って設置しようという話になったのです。
ただし、支柱や電柱などの細いものに設置する場合は、物理的に看板の横幅をさほど大きくできません。また、ドライバーから見た道路の見通しを悪くするわけにもいかず、歩行者の邪魔になってもいけません。そこで、これまで町が「スピード落とせ」「この先交差点」などと書いて使っているサイズの看板を応用しようという話になったのです。そのサイズが、ヨコ22センチ×タテ90センチ。というわけで、2月上旬にそのサイズで原案を作った次第です。

で、原案のデザインを原寸に印刷したサンプルを作り、2月5日および6日の二日間にわたり、クロスメンバーで実験をしてみました。30メートル離れたところから看板を見て、看板自体が目立つか、文字が読めるか、周辺の風景との調和はどうか、その辺りを話し合いました。その結果、やはり文字は大きい方が良い、地の色は絞った方が良い云々という話になり、2月下旬に第2次原案を作成することになりました。第2次原案の時点でも、デザインと地の色と文字のサイズ等を組み合わせると30種類くらいになり、その中から典型的なパターンを13種類抜き出して、本格的な現地実験をすることになったのです。町内の関係者の方々と日程調整をして、みんなでデザインを検討することになりました。

というわけで、冒頭のお話に戻ります。2月27日、最高気温が氷点下で強風が吹いていたその日、多様な立場の方にお集まりいただきました。軽井沢警察署、交通安全協会、軽井沢町役場防犯交通係・農林係、地元自治会区長他関係者、ピッキオ、白糸ハイランドウェイ、軽井沢新聞社、そしてクロスの面々、合計14人で、実寸に印刷されたサンプルを審査することに。

審査基準は、5つです。①近くから見たデザインの好み(人気や評判の良さにつながる)、②森林内で遠目(30メートル)に存在が目立つか、③風景との調和(軽井沢らしさや品格の良さ)、④遠目からの内容の判読しやすさ、⑤ドライバーのスピード抑制心理への影響、です。これを、良い→2点、普通→1点、良くない→0点で採点してもらいました。
その結果は、以下の通りです(画像をクリックすると大きなサイズになります)。赤い数字は、平均よりもかなり評価の良い数字、青い数字は平均よりもかなり評価が低い数字です。

やはり、黄色の看板は遠くからも目立つのですね。とはいえ、やはり軽井沢の美しい別荘地の景観を乱す要素は否定できません。また、警告看板としては定番の色だからこそ、個性を出せず、ドライバーにも見て見ぬふりをされる可能性があります。
また、文字の大きさは重要ですね。内容を入れ込もうと二行にわたる文字を出すと、遠くからはほとんど見えなくなります。
さらにデザインとしてビックリマークやウサギのシルエットは分かりやすいけれど、キツネのイラストは遠目にはどうしても分かりにくい…。
現地で看板の審査をした後は、参加者の皆さんと意見交換。それぞれ趣味や好みが違うとはいえ、意見交換を重ねる中で、看板の中に全てのリクエストを入れ込めない中で、何を重視すべきかに議論が収束していきました。こうしたご意見を受けて、最終的にクロス内で、地の色とデザインを組み合わせて最終的なデザイン案を紡ぎ出しました。それが、これです。

今年度内に4枚の看板を作成しようとしているのですが(予算の範囲)、左側の2枚は、2種類×2枚ずつ作成する場合のパターンです。右側の4枚は、1種類×4枚ずつ作成する場合のパターンです。
前者はウサギのシルエットと「飛び出し注意」という内容で、事故の危険性を直接的に示唆することに重点を置きました。後者は、同じ道路に4つも動物の名前が出てきたら、さすがに初めて通過する人でも一枚くらい気がついて、「あ、ここは野生動物の生息地なんだな」と思ってくれるのではないかという期待を込めてデザインしました。
実際に設置すると、以下の写真のような感じになると思います。看板自体はとても小さいので画像をクリックして大きな写真でご覧下さい(それぞれの写真に、2カ所ずつ小さく看板の画像が張り付いています)。


3月9日には看板屋さんに発注、15日には納品していただくというスケジュールで、現在、最後の調整をしています。もし15日に完成すれば、12月15日のタヌキのらくの交通事故から、本当に3ヶ月以内に看板設置を実現することができます。多くの方々にご相談し、励ましをいただきながら進めてきた作業、何としても、しっかりと実現したいです。
らく、待っててね。あと一踏ん張り、頑張ります。

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